オールカマーはラスト1ハロンが速い異例の馬場を味方にできる伏兵の一発に警戒せよ (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

 前走のGI天皇賞・春(4月30日/京都・芝3200m)では、テンから他馬と競り合う展開となって、リズムを崩して競走中止というアクシンデントに見舞われてしまいました。そんなレースのあとだけに、慎重に乗る可能性も十分に考えられます。

 いずれにしても、他の人気を集める馬たちはタイトルホルダーに意識を向けて、早めに圧力をかける乗り方をしてくるのではないでしょうか。

 たとえば、ジェラルディーナ(牝5歳)、ガイアフォース(牡4歳)、ローシャムパーク(牡4歳)、ウインマリリン(牝6歳)など。それぞれ、早めの仕掛けで好成績を収めてきた実績もありますから、直線入り口でタイトルホルダーに並びかけて、叩き合いに持ち込む形を想定しているはず。そうなれば、チャンスも膨らみますからね。

――有力馬の動き次第では、もつれる展開もありそうです。そうなった時に、気にかけておきたい穴馬はいますか。

大西 先にも触れていますが、今の中山・芝コースはラスト1ハロンでのキレが求められる状況にあります。そこで注目すべきは、ゼッフィーロ(牡4歳)です。

 近4走でメンバー最速の上がりをマークしているように、ディープインパクト産駒らしい決め手のある末脚が武器。まだ重賞勝ちはありませんが、無理のないローテで使われてきて、着実に力をつけてきました。人気的にも有力馬が動いたあとに、ワンテンポ遅らせた仕掛けから一発を狙える立場にあります。

オールカマーでの一発が期待されるゼッフィーロオールカマーでの一発が期待されるゼッフィーロこの記事に関連する写真を見る また、今回は戸崎圭太騎手が騎乗。戸崎騎手は重賞では積極的に行くような騎乗スタイルを取ることはありませんが、人気のない馬に騎乗する際にはその乗り方がレース展開にハマることがあります。

 さらに、同馬の近親にはリアルスティールがおり、そのリアルスティール産駒であるレーベンスティールが先週のセントライト記念を制覇。その結果は追い風になるでしょうし、今の馬場も合っていそうな気がします。

 ということで、オールカマーではこのゼッフィーロを「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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