過去に200万馬券も飛び出した京成杯AH 今年のレースで高配当をもたらすのはこの2頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 藤田記者が注目するもう1頭は、メイショウシンタケ(牡5歳)だ。

「この馬は気分屋ですが、型にハマッた時はやたらと強い勝ち方をします。

 前走のGIII関屋記念(8月13日/新潟・芝1600m)では内有利の馬場状態のなか、道中で外、外を回りながらも、メンバー最速タイの上がりを繰り出して5着まで追い込みました。直線では内にモタれる面を矯正しながら、まともに追えていなかったことを考えると、ポテンシャルは重賞でも通用すると判断できます。

 久しぶりに騎乗した浜中俊騎手も、『難しい馬なので(馬の)気分優先で乗りましたが、直線ではフラフラしていました』と言いつつ、『展開や流れが向けば、重賞でも一発あると思います』と、同馬について高く評価していました。今回も継続して騎乗するということは"可能性がある"と踏んでの東上でしょう。

 過去の京成杯AHの脚質傾向を見ても、決して前残りばかりではなく、差し馬も数多く台頭。3走前のリステッド競走・米子S(6月17日/阪神・芝1600m)では1分31秒7という速い時計で勝っているので、開幕週の高速馬場にも対応できる下地はあります。

 ネックとなるのは気性面。あまり器用なタイプではないので、トリッキーな中山マイルがカギになりますが、今年は少頭数ゆえ、さばくロスは最小限に抑えられそうです。

 そして何より、今回は馬券に絡んだことのない左回りから、右回りに替わることは大きなプラス。陣営が『いつ走るかわからない』というほどの"クセ馬"ですが、この馬自身のパフォーマンスを存分に発揮できれば、アッと言わせるシーンがあってもおかしくありません」

 過去2年連続で馬連万馬券となっている"荒れる"重賞。今年は、ここに挙げた2頭が高配当をもたらす使者となるかもしれない。

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