陣営期待のフォルラニーニが調教で抜群の動きを披露「素質馬らしい体の使い方をしている」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第13回:フォルラニーニ

 今週で夏競馬も終わりを告げ、来週からはいよいよ秋競馬がスタートする。関東では中山競馬場が舞台となるが、そこでデビューを迎える楽しみな2歳馬がいる。

 美浦トレセンの手塚貴久厩舎に所属するフォルラニーニ(牡2歳/父エピファネイア)である。

デビュー間近のフォルラニーニデビュー間近のフォルラニーニこの記事に関連する写真を見る 同馬の魅力は、何よりその血筋にある。母方の祖母マルペンサは、現役時代にアルゼンチンでGⅠを3勝、2着5回、3着2回という成績を残した名牝だ。

 そして、そのマルペンサの子で、フォルラニーニの叔父にあたるのが、3歳クラシックで躍動したサトノダイヤモンド。GI皐月賞(中山・芝2000m)で3着、GI日本ダービー(東京・芝2400m)で2着と健闘し、最後の一冠となるGI菊花賞(京都・芝3000m)で戴冠を遂げている。

 さらに、その直後にはGI有馬記念(中山・芝2500m)も快勝。キタサンブラックをはじめ、古馬一線級を一蹴してGI2勝目を飾った。

 そのサトノダイヤモンドの妹で、フォルラニーニの母リナーテも現役時には重賞戦線で奮闘。重賞勝ちこそ果たせなかったものの、GII京王杯スプリングC(東京・芝1400m)やGIII京都牝馬S(京都・芝1400m)で2着と好走している。

 また、母の妹マルケッサの子には、昨年のGIホープフルS(中山・芝2000m)を勝って、海外GIIのUAEダービー(UAE・ダート1900m)で2着と健闘したドゥラエレーデ(牡3歳)がいる。

 それら活躍馬の血を引くフォルラニーニ。デビューに向けての調整も順調に進んでおり、陣営の評価も高いという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「馬体重は500kgほどと、立派な馬体。調教の動きもいいようで、陣営によると『先週の追い切りでかなり良化してきたが、今週はさらに上の動きになった』とのこと。追走した相手を直線では置き去りにし、『素質馬らしい体の使い方をしている』と陣営も満足気でした。

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