札幌記念は有力馬に乗る騎手の駆け引きに注目も、間隙を突く人気薄馬の大駆けに注意 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

――その穴馬候補として、すでに考えている馬はいますか。

大西 気になっている馬が2頭います。まずは、トップナイフ(牡3歳)です。春のクラシック2戦ではともにスタートが決まらず、持ち味を生かせる競馬に持ち込めませんでしたが、この馬本来の先行策が取れた場合は、まだまだ見限れません。

 3歳馬は斤量55kgと有利。出足はつきやすいでしょうし、スタート上手な横山和生騎手に手替わりすることもプラスに働くのではないでしょうか。

 逃げ候補はユニコーンライオン(牡7歳)か、ジャックドールになりそうですが、それらを見ながらのポジションを取って、淡々と流れに乗ることができれば、なだれ込みのチャンスは十分にあると思います。

札幌記念での大駆けが期待されるイズジョーノキセキ札幌記念での大駆けが期待されるイズジョーノキセキこの記事に関連する写真を見る もう1頭、大穴候補を挙げるとすれば、イズジョーノキセキ(牝6歳)です。血統や実績的には地味な存在ですが、昨年のGI有馬記念(12月25日/中山・芝2500m)では豪華メンバーがそろうなか、4着と好走しています。

 この馬は、とにかく岩田康誠騎手が乗り方を熟知していて、好走時には必ずと言っていいほど、内ラチ沿いをピッタリと追走。脚をタメて、最後はインから抜け出してきます。重賞初制覇となった昨秋のGII府中牝馬S(東京・芝1800m)の際も最内から伸びて、断然人気のソダシを差しきりました。

 前走のGIIIクイーンS(5着。7月30日/札幌・芝1800m)も、いつものようにイン差しを狙う乗り方をしましたが、(直線で)ずらっと前が壁になってしまって自慢の末脚が不発。それでも、転厩初戦で57kgという酷量を背負って、馬場の中央から追い込む競馬ができたのは収穫でしょう。

 周りの騎手がどう動こうと、この馬のやることはラチ沿いで徹底して脚をタメ、一発を狙うのみ。岩田康騎手は今回も、腹をくくってその騎乗に徹するはずで、それがうまくハマッた時には大駆けがあっても驚けません。

 ということで、トップナイフも魅力的ですが、今回はより大穴への期待を込めて、イズジョーノキセキを「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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