ラジオNIKKEI賞は穴党好みの一戦。波乱の使者は人気の盲点となる経験豊富な2頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 前走後にひと息入れて、この中間はリフレッシュできた印象。1週前に美浦のWコースできっちり攻めて、今週も終(しま)いの伸び脚は上々でした。仕上がりはいいと言えますから、大敗の前走からの変わり身を期待したいです」

 坂本記者が名前を挙げたもう1頭は、シーウィザード(牡3歳)。こちらも重賞経験豊富な馬だ。

「近走はかみ合わない競馬が続いていますが、昨秋の芙蓉S(中山・芝2000m)でオープン勝ち。力を発揮できれば、ガラリと一変があってもいいと見ています。

 2走前のGIIスプリングS(10着。3月19日/中山・芝1800m)、前走のGIIニュージーランドトロフィー(10着。4月8日/中山・芝1600m)は、ともに痛恨の出遅れが響きました。

 しかし、終いは脚を使って前との差を詰めています。決して能力が足りないわけではなく、脚力があることを改めて感じさせる内容でした。

 同馬を管理する鹿戸雄一調教師も、『もう少し上位にきてもいい。ここ何回かはゲートをうまく出ていないので、スタート次第かな。(馬の)感じは全然悪くない。小回りなので、ゲートがカギ。本来の先行力が生かせれば』と、巻き返しへの手応えは感じているようでした。

 勝った芙蓉Sで2着に下したのは、のちにGIIフローラSを勝って、GIオークスでも穴人気したゴールデンハインド(4番人気11着)。GIホープフルS(9着。12月28日/中山・芝2000m)を含め、重賞でもまれてきた経験は軽視すべきではありません。

 グラニット同様、こちらも近走を度外視して、本来の先行策が決まれば......と思わずにはいられない1頭です」

"荒れる"夏の3歳重賞。人気の盲点となりそうな、重賞経験豊富な馬たちの大駆けに要注意である。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る