宝塚記念でイクイノックスを脅かす存在。タフな舞台が合う伏兵2頭の一発に期待 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 それでも、関東馬が栗東で長期滞在していることがどう出るか。イクイノックス以外にも、ジオグリフ(牡4歳)、スルーセブンシーズ(牝5歳)らが栗東で調整していて、攻め気配からは問題なさそうですが、まったく影響がないのかどうか、気になるところです」

 吉田記者もイクイノックスには一目置くが、他の馬にも「まったくチャンスがないわけではない」という。続けて、阪神の馬場状態について改めて言及し、どういったタイプが狙い目になるのか、こう分析する。

「現在の馬場傾向を踏まえれば、軽さとキレ味だけでは勝負にならない設定と言えるでしょう。また、内ラチ沿いの凸凹が目立つ内回りのコース形態は、外のきれいなところをどう使うかがポイント。いずれにしろ、長くいい脚を使えるタイプに向きそうで、それが最大の武器になるでしょう」

 そうして、吉田記者は2頭の穴馬候補を挙げた。

宝塚記念での一発が期待されるボッケリーニ宝塚記念での一発が期待されるボッケリーニこの記事に関連する写真を見る「1頭目は、今の阪神の馬場ですでに結果を残しているボッケリーニ(牡7歳)です。前走のGIII鳴尾記念(6月3日/阪神・芝2000m)では、中団追走から早めに動いていって、逃げた3番人気のフェーングロッテンや、先行した1番人気ソーヴァリアント、2番人気マリアエレーナらをねじ伏せました。

 内回りに必要な機動力と自在性を存分に発揮し、7歳馬でも元気いっぱい。今回は中2週となりますが、6月18日には坂路でしっかり調整され、当週にある程度負荷をかけてくれば、好状態をがっちりとキープできる見立てです。

 阪神・芝コースは6戦して、1勝、2着3回、3着1回、4着1回と好相性。過去に出走したGI2戦はいずれも惨敗に終わっていますが、今の状態と阪神の馬場を踏まえれば、躍進が期待できます。1ハロンの距離延長も問題なく、アッと言わせるシーンがあってもおかしくありません」

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