ソールオリエンスの二冠達成を阻止する馬はいるか? 穴党記者が日本ダービーで一発を期待する伏兵2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 とはいえ、今年の皐月賞は短い直線も苦にすることなく、ソールオリエンスが豪快な差しきり勝ちを披露。"差し届かなかった馬"となると、該当馬はいないような気がするが......。

「確かに、今年の勝ち馬ソールオリエンスは4角17番手からの追い込み。何度見ても、その走りには驚かされました。メンバー最速の上がりをマークしての大外一気は、『東京でこそ』と個人的にも思っています。ですが、そのインパクトの影に隠れて、いい末脚を見せた馬がいました」

 松田記者はそう言って、穴馬候補の名前を挙げた。

日本ダービーでの一発が期待されるシャザーン日本ダービーでの一発が期待されるシャザーンこの記事に関連する写真を見るシャザーン(牡3歳)です。新馬戦(7月31日/新潟・芝1800m)では押し出される形でハナに立って、直線での叩き合いの末に2着に敗れましたが、2戦目の未勝利戦(1月15日/中京・芝2000m)はメンバー最速の上がりを繰り出して、2番手から鮮やかに抜け出して完勝。躓いて最後方からの競馬となった3戦目のリステッド競走・すみれS(2月25日/阪神・芝2200m)でも、大外から強襲してゴール前で見事に差しきりました。

 加速には時間がかかりますが、トップスピードに乗ってしまえば、長くいい脚を使えるのが、この馬の持ち味だと見ています。

 その特徴を皐月賞(6着)でも存分に見せていました。終始外の後方を回り、3角すぎから早めのスパート。前半1000mがすべて64秒以上というスローペースしか経験していないなかで、重馬場ながら前半1000mが58秒5という速い流れのなか、昨年のドウデュースを彷彿とさせるまくりで動いていきました。

 結果的にはうしろにいた勝ち馬の爆発力に屈しましたが、東京向きであろうスピードの持続力を未体験の流れのなかで発揮できたのは収穫と言っていいでしょう。

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