白熱の日本ダービー「打倒ソールオリエンス」が秘かに期待されている馬とは? (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 なかでも、皐月賞の敗戦だけで見限れないのは、ベラジオオペラ(牡3歳)。無傷の3連勝でGIIスプリングS(3月19日/中山・芝1800m)を制して、皐月賞では3番人気に推された。

 結局、同レースでは逃げ馬の直後に控えて、直線で失速。まったく本来の力を発揮できずに10着と惨敗を喫したが、舞台が替われば、巻き返すだけの力は秘めている。

 現に東京では、1勝クラスのセントポーリア賞(1月29日/東京・芝1800m)を完勝。得意コースで能力全開となれば、ファンをアッと驚かせるような激走を見せてもおかしくない。

日本ダービーでの「打倒ソールオリエンス」が期待されるシャザーン日本ダービーでの「打倒ソールオリエンス」が期待されるシャザーンこの記事に関連する写真を見る もう1頭、とっておきのダークホースがいる。皐月賞6着のシャザーン(牡3歳)だ。

 皐月賞ではコース取りがハマらないこともあって、本来の能力を発揮できずに6着に終わったが、勝ち馬とはコンマ7秒差。それほど大きく負けてはいない。しかも、同馬についてはちょっとした裏情報がある。

 同馬を管理する友道康夫厩舎には、GII京都新聞杯(5月6日/京都・芝2200m)を勝ってダービーに挑むサトノグランツ(牡3歳)という有力馬がいる。鞍上もリーディングトップを走る川田将雅騎手が務めるが、厩舎内での評価は「シャザーンのほうが上」だという。先の専門紙記者も耳元でこう囁いた。

「(シャザーンにとってダービーは)距離も、コースもいい。状態も上昇一途。"打倒ソールオリエンス"として面白い存在を挙げるなら、この馬です」

 いよいよ目前に迫った競馬界最高峰の舞台。ソールオリエンスが勝って、無傷の4連勝で二冠を達成するのか。はたまた、ここで名前を挙げた面々がそれを阻止するのか。

 どちらにせよ、専門紙記者が言うように"五分五分の争い"になることは間違いない。ダービーには「運のいい馬が勝つ」という格言があるが、今年はその言葉が改めてクローズアップされるような結果になるかもしれない。

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