ヴィクトリアマイルをダービージョッキーが分析 有力3頭の道悪適性と馬場悪化で浮上する伏兵候補 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 続いてナミュールですが、2走前のGIエリザベス女王杯(11月13日/阪神・芝2200m)で初めて重馬場でのレースを経験。鞍上の横山武史騎手が「馬場がマイナスだった」と話していたように、いつものキレ味が発揮できませんでした。馬格があるタイプでもないので、同馬も雨がプラスになるとは言えませんね。

 最後にスターズオンアース。同馬が一番マイナスが少ないように思います。道悪経験はないのですが、フットワークが力強く、地面をしっかりとらえる走法なので、多少馬場が荒れても悪い印象がありません。

 先週のNHKマイルCを勝ったシャンパンカラーもそうでしたが、ドゥラメンテ産駒は比較的道悪の競馬を苦にしないイメージがありますし、ややスタートが遅い馬だけに、少しでも全体の時計がかかったほうが前を捕まえやすくなるのではないか、と見ています。

――これら有力3頭以外で注目している馬はいますか。

大西 僕が気になっているのは、スプリント路線から挑んできたナムラクレア(牝4歳)です。昨夏から5戦続けて1200mを使っているので、マイル戦での印象は乏しいのですが、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)とGI桜花賞(阪神・芝1600m)では、ともに5着、3着と健闘。マイルもぎりぎり守備範囲と踏んでいます。

 また、今年に入ってからの2戦は、より後方から脚をタメて差す競馬を覚えてきています。この競馬がハマれば、マイルもこなせるはずです。

スプリント路線から参戦してきたナムラクレアも侮れない存在スプリント路線から参戦してきたナムラクレアも侮れない存在この記事に関連する写真を見る そして、何より強調したいのは、道悪適性の高さ。とりわけ印象に残っているのは、2歳時のオープン特別・フェニックス賞(小倉・芝1200m)と、今春のGI高松宮記念(3月26日/中京・芝1200m)です。どちらもかなり悪化した極悪馬場で行なわれましたが、その馬場をまったく苦にしていませんでした。よく"水かきがついている"なんて言われますが、この馬はまさにその類いの道悪巧者だと思います。

 昨年の桜花賞では、勝ったスターズオンアースとコンマ1秒差。能力的にもそこまで上位組との差はありません。雨で馬場が悪化すれば、さらに好走する確率はアップします。

 ということで、この馬を今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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