ヴィクトリアマイルは荒れる「名牝キラー」&レース相性抜群の厩舎が送り出す伏兵2頭に期待 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 その後、同馬はGIIチューリップ賞(6着。阪神・芝1600m)、GIIフローラS(15着。東京・芝2000m)とトライアルに挑むも、結果を出せずにクラシック出走には至らなかった。しかし、休養して仕切り直した3歳夏以降、3連勝してオープン入りを決めた。

「3連勝後、前走のGII阪神牝馬S(4月8日/阪神・芝1600m)では1番人気に推されましたが、6着。直線で他馬と接触してしまい、その分、伸びを欠いて不完全燃焼の競馬となりました。

 それでも、勝ち馬とはコンマ5秒差。巻き返しは十分に可能だと思います。1週前の追い切りでも、栗東坂路で好時計(51秒4-11秒7)をマーク。状態のよさも魅力です」

 木南記者が名前を挙げたもう1頭は、サブライムアンセム(牝4歳)。同馬もルージュスティリアと同じく藤原英昭厩舎(栗東トレセン)の管理馬だ。

「スターズオンアースが勝った昨年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)を思い出すと、ゴール前は大混戦。ほとんど着差がなく、サブライムアンセムも9着でしたが、勝ち馬とはわずかコンマ2秒差でした。つまり、立ち回り次第では、人気のスターズオンアースと差のない競馬ができる、ということです」

 実際、サブライムアンセムはGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)の勝ち馬で、前走の阪神牝馬Sでも2着と好走。重賞で勝ち負けできる実力を秘めている。

「3走前のGIIIターコイズS(6着。12月17日/中山・芝1600m)、前走の阪神牝馬Sは、ともにインを狙って詰まるシーンがありました。しかしながら、いずれも勝ち馬とはコンマ2秒差。好位で運んで、最後もうまくさばけるようなら、アッと言わせるシーンがあってもおかしくありません。

 また、藤原厩舎はエイジアンウインズでウオッカを、ストレイトガールでヌーヴォレコルトやミッキークイーンといった名牝をこのレースで下しています。そんなヴィクトリアマイルの勝ち方を知っている厩舎の2頭出し。さすがに無視するわけにはいきませんし、一発の期待が膨らみます」

 今週も波乱必至の東京マイルのGI戦。名門厩舎が送り出す2頭の伏兵から目が離せない。

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