桜花賞は昨年と同じく「内、前」が有利か 人気薄の一発を期待するなら内を強襲できる世代唯一の実績馬 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

――今週は、開催前は雨予報ですが、週末は天気がよさそうです。馬場が回復するとしたら、どんなレースをイメージされますか。

大西 2年前のソダシが勝った時のような、高速決着が予想されます。勝ち時計が1分31秒台に突入するかどうかはペース次第ですが、少なくとも1分32秒台前半の決着になるのではないでしょうか。スピード馬場への対応力が求められそうですね。

 その場合、やはり内目で立ち回れることがメリットになるはず。枠順はもちろん、鞍上の馬場への意識がどうか、という点もよく考察しておくべきでしょうね。

――下馬評では"2歳女王"リバティアイランド(牝3歳)の「1強」とされていますが、大西さんはどうご覧になっていますか。

大西 僕もそうした見方には異論がありません。GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月11日/阪神・芝1600m)を2馬身半差で完勝した同馬は、かなり強い馬だと思います。

 とりわけ、新馬戦で上がり31秒4というタイムをマークした末脚は、見た目にも、記録的にも次元が違いすぎます。のちに、2歳GIを楽勝するのも納得です。

 それだけのスピードが出せる馬ならば、高速決着も大歓迎と見ます。その強さがますます引き出されるのはないでしょうか。

 年明けの重賞では、そんな2歳女王の「ライバルとなり得る馬が登場するか?」といった点をテーマに置いて見てきましたが、個人的には女王を脅かすほどの存在は現れなかったと思っています。「1強」の勢力図に変化なし、というのが僕の見立てです。

 2歳戦からのぶっつけとなるローテーションも、今の時代は不安どころか、むしろ最適とすら言えるもの。実際に中間の動きにも、不安を感じさせるものはありませんでした。リバティアイランドの"相手探し"の一戦と言えるでしょう。

――馬券圏内(3着以内)と考えた場合、ひとつはリバティアイランドで当確として、残りふたつのイスはどうなるのか。前哨戦をご覧になってきたなかで、残りのイスを奪える候補として、すぐに頭に浮かぶ馬はいますか。

大西 時計面で言えば、阪神JFと同じ勝ちタイム(1分33秒1)だったGIIIクイーンC(2月11日/東京・芝1600m)組には魅力を感じます。特に1、2着となったハーパー(牝3歳)とドゥアイズ(牝3歳)ですね。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る