近年の阪神大賞典は波乱含み 「穴党記者」は中間の気配がいいベテラン2頭の大駆けを匂わす (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 2走前のGII日経新春杯(1月15日/中京・芝2200m)はハナをきれましたが、2番手のキングオブドラゴンに早めに来られて、最後は苦しくなってしまいました。理想は、昨年の京都記念を勝った時のように、4コーナーで後続を引き離す逃げが打てること。その点、今回は強力な同型が不在ですから、理想的な形を作れる可能性はあります。

 本来は調教で目立った動きを見せるタイプではありませんが、この中間は併せ馬で意欲的に追われ、2週続けて僚馬に併入。しっかりとした調整ができています。レースを使いつつ、調子は上向いていると見ていいでしょう。

 明け8歳とはいえ、攻めの気配からはまったく年齢を感じさせません。3歳時の菊花賞では大敗(12着)を喫していますが、去勢して、年齢も重ねて、精神的に成長した今なら、距離にも対応可能です。後続の有力馬が互いを意識してけん制し合うような展開になれば、粘り込みがあっても不思議ではありません」

 スタミナはもちろんのこと、メンタル面も不可欠な長丁場の戦い。落ちつきのあるベテラン馬2頭が、血気盛んな実力馬たちにひと泡吹かせてもおかしくない。

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