大器ハーツコンチェルト 衝撃のデビュー戦以降は不本意なレースが続くも「春の大目標」へ陣営の自信に揺るぎなし (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 初戦の輝きとは対照的に、その後はもどかしいレースを続けているハーツコンチェルト。それでも、陣営の評価はデビュー当初から変わっていないという。関東競馬専門紙とトラックマンがその様子を伝える。

「ハーツコンチェルトはデビュー前から調教の動きが抜群で、陣営も確かな能力を感じていました。今週も好タイムを記録していますが、厩舎スタッフは『馬なりでこの時計を出せる馬はなかなかいない』と感心していました。全戦でコンビを組んでいる松山弘平騎手も、相当能力を買っているようです」

 前走、前々走の敗因もはっきりしており、陣営は春のクラシックへ向けても前向きだ。トラックマンが続ける。

「スタッフによると、ハーツコンチェルトは『能力はすばらしいが、大跳びで器用さがない状態』とのこと。『ホープフルSも初の中山、かつ内枠スタートで弱点がもろに出てしまった』そうです。

 しかしながら、距離が延びて、大回りでゆったりと構えられるGI日本ダービー(東京・芝2400m)は、この馬にとって格好の舞台。『春の大目標に据えている』と陣営は意気込んでいます」

 同馬はこのあと、リステッド競走の若葉S(3月18日/阪神・芝2000m)に出走予定。陣営はここを勝って、GI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)、そして大目標のダービー(5月28日)へと向かう青写真を描いている。

 デビュー戦で衝撃の走りを見せたハーツコンチェルト。潜在能力を存分に発揮して、クラシックで躍動することができるのか。まずは、年明け初戦となる若葉Sでの走りに注目したい。

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