3歳牝馬戦線がわかる識者選定ランキング。リバティアイランドの「1強」状態のままクラシックに突入するのか (4ページ目)

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伊吹氏
「阪神JFは14着に終わったキタウイングですが、年明けのフェアリーSを11番人気で勝利。1月29日終了時点の本賞金は7430万円で、現3歳世代のJRA所属馬としては単独4位、牝馬に限ると単独2位です。現時点でJRAのレースを3勝以上している3歳牝馬は他にいません。

 JRA-VANに記録がある1986年まで遡(さかのぼ)っても、JRAの2~3歳限定重賞を勝ったあと、JRAの2~3歳限定のレース(GI、GII以外)を単勝9番人気以下で勝ったのは、この馬だけ。いわゆる"人気になりにくいタイプ"というのはどの世代にもいるものですが、キタウイングは歴史にその名が残るレベルで過小評価されてしまった馬と言えます。

 今後も、どこかで似たようなシチュエーションが発生するはず。常に激走を警戒しておきたい一頭です」

本誌競馬班
「ドゥアイズは、オープン特別のコスモス賞(2着。8月13日/札幌・芝1800m)、GIII札幌2歳S(2着。9月3日/札幌・芝1800m)と勝ちきれなかったことで、物足りない印象がありました。しかし、ハイレベルな阪神JFでも3着と好走。重賞レベルで常に安定した結果を残せる点は、素直に評価すべきかと思います」

土屋氏
「阪神JFでは17着に終わったムーンプローブ。内枠有利の馬場で15番枠からの発走となったことが響きましたが、それ以上に、最初の2ハロン目から引っかかり気味でハイペースの先行勢に加わって、終始外側を回らせるという、悪いお手本のような競馬をしてしまったことが痛恨でした。これでは、さすがに直線で余力は残っていませんでした。

 阪神JFの前には、1勝クラスの白菊賞(11月27日/阪神・芝1600m)を制覇。同レースの歴代勝ち馬には、ラヴズオンリーユー、リリーノーブルなど、3歳GIでも好走した面々の名が並ぶように、この馬も引けを取らないポテンシャルがあると見ています。トライアルでの好走が必須条件ですが、そこさえ突破すれば、その先の大舞台での期待が膨らみます」

 クイーンCが終わると、その後はトライアル戦が本格化していく3歳牝馬戦線。リバティアイランドを脅かすような存在が他にも出てくるのか、注視していきたい。

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