今年の皐月賞馬とダービー馬を早くも占う。現時点で識者5人が挙げた最有力候補とは? (3ページ目)

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木村拓人記者(デイリー馬三郎)

◆皐月賞=ファントムシーフ(牡3歳/父ハービンジャー)
◆ダービー=キングズレイン(牡3歳/父ルーラーシップ)

 ハービンジャー産駒のパワータイプは、馬場が少し荒れやすい皐月賞でも全然問題ないゆえ、ファントムシーフを有力視したいと思います。

 ホープフルSは、ハービンジャー産駒のよさとは真逆の、小脚を使う"上手な競馬"が重視される形となってしまい、本来の持ち味が生きませんでした。それでも、4着にきた内容は"負けて強し"と思わせました。

 同3着のキングズレインにとっても、ホープフルSの展開は不向きでした。加えて、外を回らされるコース取りの不利もありました。にもかかわらず、最後の脚は際立っていましたから、その持ち味は広いコースで生かされそう。だとすれば、ダービーでこその馬。

 そのためには賞金を加算しなくてはいけないので、ダービーまでに(レースを)使いすぎてしまう懸念がありますが、皐月賞にこだわらず、ダービーに注力するなら、今年のダービーの最有力候補であることは間違いないでしょう。


土屋真光氏(フリーライター)

◆皐月賞=ドルチェモア(牡3歳/父ルーラーシップ)
◆ダービー=レヴォルタード(牡3歳/父エピファネイア)

 3戦3勝でGI朝日杯フューチュリティS(12月18日/阪神・芝1600m)を制したドルチェモア。その勝ちっぷりに派手さはないものの、どのレースでもきっちり"勝ちきる力"を発揮している点には好感が持てます。

 何よりスタートセンスが抜群。これは、コーナー4回の皐月賞では大きなアドバンテージになります。2戦目のGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月8日/東京・芝1600m)では、さらに距離が延びてもまだまだ伸びていきそうな終(しま)いの脚を見せました。大外枠とかに入らなければ、皐月賞の有力候補です。

 レヴォルタードは、まだ未勝利戦(11月27日/東京・芝2000m)を勝ち上がったばかり。道中の走りを見ても頭が高く、直線でも集中しきれていない面が見受けられます。

 それでも、その未勝利戦の勝ち時計(1分59秒4)は、同厩舎のキングズレインが勝った1勝クラスの百日草特別(1分59秒7。11月6日/東京・芝2000m)よりも速いタイムでした。未完成な部分がカチッとハマった時、かなりのものを発揮しそうな予感があります。

 賞金的には余裕がないので、皐月賞を狙わずにダービー一本狙いでいってくれれば、さらに楽しみが増します。

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