タイトルホルダーが単騎で逃げる有馬記念。意外とレースは緩みなく流れ、後方からまくってくる伏兵に出番あり (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 展開面を考えると、今年はタイトルホルダーを簡単に逃がすまいと、2列目にいる先行勢によるプレッシャーが大きくなると予想されます。特に有馬記念に憧れを抱く2人の外国人騎手、ジャスティンパレス(牡3歳)に騎乗するトム・マーカンド騎手と、ジェラルディーナ(牝4歳)の手綱をとるクリスチャン・デムーロ騎手は、早めに仕掛けてくるでしょう。

 ですから、僕は決してスローではなく、全体的に"気持ち前掛かり"の展開になるとイメージしています。

 そうしたなか、ヴェラアズールはおそらく中団より後ろのポジションで運ぶと思いますが、レースの流れ次第では3コーナーからロングスパートを仕掛けたら面白いのではないか、と見ています。2012年にゴールドシップが勝った時のようなイメージで脚を出しきったら、大外一気が見られるかもしれません。

 鞍上は今回、ジャパンCを勝った時のライアン・ムーア騎手から、松山弘平騎手へ乗り替わります。それによって多少人気が落ちそうですが、そこに妙味を感じます。

 道中緩みない持久力勝負にあって、ヴェラアズールに出番ありと踏んで、今年の有馬記念では同馬を「ヒモ穴馬」候補に指名したいと思います。

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