タイトルホルダーが単騎で逃げる有馬記念。意外とレースは緩みなく流れ、後方からまくってくる伏兵に出番あり (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 同3位のイクイノックス(牡3歳)は、GI天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)をわずかキャリア5戦で優勝。あの勝利で世代交代を感じたファンも多いでしょう。

 ここまでの戦績は昨年のエフフォーリアと酷似しており、同じノーザンファーム天栄で調整されている馬だけに、レースに向けての調整ノウハウも確立されていると思います。ファン投票1位になってもおかしくない馬ですが、もしかしたら多くのファンが有馬記念ではなく、ジャパンCに向かうと思ったからかもしれませんね。

 以上3頭は、ファンの支持が高いだけあって、やはり勝つチャンスは大きいと思います。

GI初挑戦でジャパンCを制したヴェラアズールGI初挑戦でジャパンCを制したヴェラアズールこの記事に関連する写真を見る 一方、僕が注目しているのは、それら3頭より人気はないかもしれませんが、3連勝で一気にGIウイナーの仲間入りを果たしたヴェラアズール(牡5歳)です。

 この秋は、GII京都大賞典(10月10日/阪神・芝2400m)とGIジャパンC(11月27日/東京・芝2400m)を連勝。今年の初めまでダートの2勝クラスにいた馬がジャパンCを勝つなんて、誰も想像していなかったでしょう。それゆえ、この偉業を達成した同馬は"もはやホンモノ"と見ないわけにはいきません。

 芝へと路線を替えたことで、ここまで大化けした馬は今までいたでしょうか。芝6戦すべてでメンバー最速の上がりをマーク。ポテンシャルの天井がまったく見えません。

 その6戦を何度も見返しましたが、どれもまだ本気で走っていないように感じられ、より底力が問われるレースになって、さらにポテンシャルが引き出されるような気がします。

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