朝日杯FSはディープインパクトとルーラーシップの血が共通する2頭を狙う。勝利した前走も関連性大 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 さらに今年の春には、「祖母の父がストームキャット」という配合がドルチェモアと共通するソウルラッシュが、今回と同じコース・距離のGⅡマイラーズCを勝利している。また、ドルチェモアの母アユサンは、同じ舞台で行なわれたGⅠ桜花賞の勝ち馬という良血でもある。

 血統だけでなく高い能力も実証済み。8月の新馬戦(札幌・芝1500m)を勝ち、前走のGⅢサウジアラビアロイヤルC(東京・芝1600m)を1馬身1/4差で勝利。サウジアラビアロイヤルCの勝ち馬では2017年ダノンプレミアム、2019年サリオスが朝日杯フューチュリティSも勝つなど関連性は高い。ドルチェモアの同レースの勝ちタイム1分33秒4は、その2頭に次ぐ史上3位のタイムというのも心強い。血統、レース内容ともに申し分ないこの馬を本命に推す。

 もう1頭はオールパルフェ(牡2歳、美浦・和田雄二厩舎)に注目する。同馬はドルチェモアの父であるルーラーシップを母の父に持ち、父リアルスティールはGⅠドバイターフ(芝1800m)の勝ち馬でディープインパクト産駒。加えて、リアルスティールは母の父がストームキャットなので、ドルチェモアとは父と母を逆にしたような配合になる。

 オールパルフェも実績は十分で、朝日杯フューチュリティSの重要なステップレースであるGⅡデイリー杯2歳S(阪神・芝1600m)を勝利。昨年のGⅡデイリー杯2歳S勝ち馬セリフォスは前述のように朝日杯フューチュリティSで2着に入り、後にマイルチャンピオンシップを勝利している。2018年には、アドマイヤマーズがデイリー杯2歳Sと朝日杯フューチュリティSを連勝しているだけに、オールパルフェも上位争いをする可能性は高い。

 以上、今年の朝日杯フューチュリティSは、ともにディープインパクトとルーラーシップの血を持つドルチェモア、オールパルフェに期待する。

【著者プロフィール】

平出 貴昭(ひらいで たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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