まったく予想がつかない2歳王者争い。稀に見る大混戦の「2歳牡馬ランキング」 (2ページ目)

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この記事に関連する写真を見る土屋真光氏(フリーライター)
「ここまで2戦無敗のドルチェモア。サウジアラビアRCではグラニット(牡2歳)が飛ばすなか、慌てず、騒がず追走し、終(しま)いでしっかりと伸びて快勝しました。

 勝ちタイムは1分33秒4。過去、このレースで1分34秒をきるタイムで勝ったのは、ダノンプレミアム、サリオス。いずれものちにGIを制覇しています。今後、距離が延びてからと、他の馬の台頭があった場合にどうか、という点が気になるところですが、現状では世代上位だと思います」

伊吹氏
「ドルチェモアは、11月27日終了時点の一走あたりの賞金が2000万円。これは、2歳全体で単独3位の数字です。ご存じのとおり、母のアユサンは2013年の桜花賞馬。大舞台でも通用するだけの下地はあると見ていいでしょう。

 ちなみに、現2歳世代のルーラーシップ産駒からは、このドルチェモアの他、キングズレイン、メイクアスナッチと計3頭がすでに2勝以上挙げています。ドルチェモアを中心に、引き続きマークしておきたいですね」


 3位は、ガストリックが勝った東スポ杯2歳Sで1番人気に推されたハーツコンチェルト(牡2歳/父ハーツクライ)。同レースでは3着に敗れたものの、地力の高さが高評価につながったようだ。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「完成度高めのハーツクライ産駒。それでも、グッとよくなるのは3歳になってからと見ます。つなぎは長めで柔らかみがあり、ストライドが伸びるフットワーク。直線の長い大きいコースでこそ、高いパフォーマンスを発揮できるタイプでしょう。

 圧巻だった新馬戦(9月18日/中京・芝2000m)の内容を評価され、東スポ杯2歳Sでは断然の支持を集めましたが、発馬が決まらずに後手を踏んで、結果的には小差の3着でした。とはいえ、1、2着馬に比べて脚は使っており、同レースの出走馬のなかでは一番ポテンシャルが高いと判断していいでしょう」

木南氏
「東スポ杯2歳Sの上位3頭は、立ち回りの差が出ただけで素質は互角。ただ、ハーツコンチェルトとしては、賞金を加算できなかったのが痛かったところ。(今後のスケジュールが密になって)血統的に体質の不安が出ないか、心配ではあります。それでも、新馬戦の勝ちっぷりからして、無事にいけば来年のクラシック候補です」

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