「名スプリンター」ダノンスマッシュの全弟、ダノンプレジャーは兄を超える器か

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by ZUMA Press/AFLO

厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第29回:ダノンプレジャー

 今年の2歳戦も、はや終盤を迎えるが、まだデビューしていない面々のなかにも、血統面から大きな期待を集めている存在がいる。

 栗東トレセンの安田隆行厩舎に所属するダノンプレジャー(牡2歳/父ロードカナロア)も、その1頭である。

 同馬が注目されるのは、全兄がスプリント戦線で名を馳せたダノンスマッシュ(牡/父ロードカナロア)だからだ。同馬は2歳時から頭角を現わし、未勝利、オープン特別と連勝を決めると、GI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)でも5着と健闘した。

 その後、3歳春は重賞戦線で足踏みしたが、夏を迎えて本格化。3歳秋のGIII京阪杯(京都・芝1200m)で重賞初制覇を遂げて以降、GIでは善戦止まりだったものの、5歳春までに重賞5勝を挙げる活躍を見せた。

ダノンプレジャーの兄、ダノンスマッシュ。2020年の香港スプリントでGI初制覇ダノンプレジャーの兄、ダノンスマッシュ。2020年の香港スプリントでGI初制覇この記事に関連する写真を見る そして、そこから一段とレベルアップして見せたのが、5歳秋から。GIIセントウルS(中京・芝1200m)を快勝し、GIスプリンターズS(中山・芝1200m)でも2着と好走した。すると、続く海外GIの香港スプリント(香港・芝1200m)で、「スプリント王国」と称される地元の強豪馬を蹴散らし、GI初勝利を飾った。

 この勢いはさらに続いて、6歳春のGI高松宮記念(中京・芝1200m)で優勝。レシステンシア、インディチャンプといった強豪ライバルとの熾烈な争いを制して、2つ目のGIタイトルを手にした。

 そんな優秀な兄を持つダノンプレジャー。兄も管理していた厩舎スタッフの評価はどれほどのものだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。

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