アルゼンチン共和国杯は東京で連対率9割の「コース巧者」に期待。オルフェーヴル産駒の末脚にも注目 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 16戦中の9戦を東京競馬場で出走していて、3勝、2着5回で連対率は88.9%という"コース巧者"だ。5着となったレースも勝ち馬から0秒2の僅差と安定した走りを見せている。全兄ヴェラヴァルスターも東京・芝2400mのゆりかもめ賞(500万下)の勝ち馬で、GⅡ青葉賞では3着に入っている。母系からも好相性が見込める同馬の重賞初制覇に期待したい。

 もう1頭はディアマンミノル(牡5歳、栗東・本田優厩舎)を推す。父オルフェーヴルの産駒では、オーソリティが2020、21年とアルゼンチン共和国杯を連覇中。2018年にはオルフェーヴルの父ステイゴールドの産駒パフォーマプロミスが勝っており、ハーツイストワール同様に父系のレース相性がいい。同馬は兄にGⅢ新潟2歳Sのモンストール(父アドマイヤマックス)がいて、祖母は東京コースを舞台とする3歳牝馬の最高峰レース、GⅠオークス(芝2400m)を勝ったイソノルーブルという血統だ。

 東京コースでは勝利こそないものの、今年の目黒記念では上がり3Fメンバー中最速の33秒4という末脚で伸び、勝ち馬から0秒1差の4着。昨年のアルゼンチン共和国杯でも上がり3Fメンバー中最速の33秒6の脚を見せ、勝ち馬から0秒6差、3着馬とは0秒1差の5着と、馬券圏内にもう少しのところまできている。

 直近2レースはGⅢ新潟記念13着、GⅡ京都大賞典10着と凡走が続いているものの、レースを重ねて良化する馬でもある。今年の大阪-ハンブルクCを勝った時も、前走のGⅡ京都記念12着から一変の走りを見せた。

 また、追い込み馬はレース展開次第のところがあるため、近走の着順はあまり気にしなくていいタイプ。先週の天皇賞・秋で大逃げしたパンサラッサが2着と粘ったこともあり、このレースでも逃げる馬が出てハイペースを演出し、ディアマンミノルに向く展開になることも十分考えられるため注目したい。

 以上、今年のアルゼンチン共和国杯は、ハーツクライ産駒ハーツイストワール、オルフェーヴル産駒ディアマンミノルの2頭の激走に期待する。

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