菊花賞はセントライト記念組が有力も、神戸新聞杯惨敗で人気が急落した素質馬の逆襲に要注意 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 この馬は常にスタートが速く、安定した先行力が武器。ハナに立つと少し折り合いが心配ゆえ、理想は他の馬に逃げてもらって番手で流れに乗り、3~4コーナーあたりで一気にスパートする形でしょうか。

 ダービーを2分22秒2という破格の時計で走破していることから、スタミナと持久力が豊富なのは間違いありません。菊花賞ではスパートのタイミング次第で、押しきりがあっても驚けません。馬のことを完全に手の内に入れている、鞍上の田辺裕信騎手の手腕も見ものです。

菊花賞での巻き返しが見込まれるプラダリア菊花賞での巻き返しが見込まれるプラダリアこの記事に関連する写真を見る このセントライト記念1、2着馬がレースの中心になるかなという見立てですが、穴馬候補として気になる馬がいます。プラダリア(牡3歳)です。

 ダービー5着馬ですから「穴馬」と言うのはどうかと思いますが、もうひとつのトライアル、GII神戸新聞杯(9月25日/中京・芝2200m)で思わぬ大敗(8着)を喫して人気急落。各メディアの印はだいぶ薄くなりました。

 今思えば、神戸新聞杯の時は春からの成長力に乏しさを感じるほど、馬体に迫力がありませんでした。それが今回は、動き、馬体ともにはっきり変わってきたと感じられます。

 特に馬体面ではトモのボリュームが目立ち、全体にメリハリが出てきました。ひと目見て、「あれ、(前走の時とは)全然違うな」と思ったほど。中間の動きに関しても、1週前にウッドコースで自己ベストをマークし、著しい良化ぶりを披露しました。

 この馬は3戦目に未勝利を脱出。その後は格上挑戦でGII青葉賞(4月30日/東京・芝2400m)を勝ち上がって、ダービーまで駒を進めました。

 年明けの1月にデビューし、そこからほぼ月イチのローテで使われて、5戦目にしてダービー出走。これだけ押せ押せの臨戦となると、ガス欠になってもおかしくないところですが、最高峰の舞台となるダービーで掲示板に載ってくるのですから、その底力は大したもの。素質が高いことは、疑いようがありません。

 こうした使い方でパフォーマンスを上げていることを考えると、元来"叩き良化型"なのでしょう。賞金面をクリアしているので、前哨戦は「叩き台」と徹していたのだとすれば、今回はとても怖い存在となります。

 ということで、プラダリアを菊花賞の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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