秋華賞はキングカメハメハのラストクロップを狙う。注目度の低いディープインパクト産駒も面白い存在 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 配合的にも強調点は多い。前述のローズキングダムは本馬と同じキングカメハメハ産駒で、3/4同血という血統構成。そして三冠牝馬アパパネとは父が同じであり、母の父クロフネも同馬の母の父ソルトレイクと同じデピュティミニスター系という共通点がある。

 クロフネは2019年の勝ち馬クロノジェネシスの母の父。さらに父キングカメハメハは、2020年の勝ち馬デアリングタクト、昨年の勝ち馬アカイトリノムスメの母の父でもある。順調な臨戦過程でここに臨むスタニングローズは、血統面でもこれだけ好材料が揃っているだけに期待したい。

 もう1頭はウインエクレール(牝3歳、美浦・畠山吉宏厩舎)に注目。大種牡馬ディープインパクトの産駒はこのレース5勝と歴代最多勝を誇るが、2着5回、3着2回と2、3着も多い。しかも2、3着馬は、2020年10番人気2着のマジックキャッスル、2020年9番人気3着のソフトフルートと人気薄での好走例もある。比較的に注目度の低そうなこの馬は面白い存在になりそうだ。

 同馬は春にスイートピーS(東京・芝1800m)を勝ち、オークスの出走権を獲得しながら、レース間隔や距離適性などを考慮し回避。秋華賞を最大目標に調整されてきた。前走は古牡馬混合の3勝クラス・STV賞(札幌・芝1800m)に出走して2着。叩き台としてはまずまずの内容だった。

 血統も優秀で、兄はGⅠ香港Cなど香港GⅠ2勝を含む重賞7勝のウインブライト。兄は3歳時からGⅡスプリングSを勝利するなど早い時期から結果を残しながら、5歳時にGⅠ2勝、6歳暮れにも香港Cで2着に入るなど成長力も兼ね備えていた。ウインエクレールも秋を迎え、さらに飛躍が期待できそうだ。

 以上、今年の秋華賞は、キングカメハメハ産駒スタニングローズ、ディープインパクト産駒ウインエクレールと、今は亡き大種牡馬2頭の産駒に注目する。

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