京都大賞典は「ステイゴールド×メジロマックイーン」の血が騒ぐ。狙いは芝2400mにピッタリの隠れた実力馬2頭

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 10月10日、阪神競馬場で3歳以上馬によるGⅡ京都大賞典(芝2400m)が行なわれる。

 このレースは通常は京都・芝2400mで開催されるが、今年は京都競馬場改修工事の関係で、昨年に続いて阪神競馬場で行なわれる。過去のレースの傾向は当てはまらないと思われるので、阪神・芝2400mのデータを基に、血統的視点からレースを分析していきたい。

 2012年以降の阪神・芝2400mの種牡馬別成績を見ると、ディープインパクトが20勝と最多勝で、以下、キングカメハメハが13勝、ハーツクライ12勝とリーディング上位種牡馬が並んでいる。しかし、今回注目したいのは種牡馬別成績で8位のオルフェーヴルだ。まだ39戦とレース数は少ないが、5勝、2着5回で勝率は12.8%。連対率も25.6%と、ディープインパクト(192戦20勝、勝率10.4%、連対率24.5%)よりも高い数字を残している。

 今回は2頭のオルフェーヴル産駒が出走予定だが、その2頭ならばアイアンバローズ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)を上に見る。

2021年4月、阪神・芝2400mの白鷺特別を制したアイアンバローズ2021年4月、阪神・芝2400mの白鷺特別を制したアイアンバローズこの記事に関連する写真を見る 同馬は今年、GⅡ阪神大賞典(阪神・芝3000m)でディープボンドに次ぐ2着に入り、GⅠ天皇賞・春(阪神・芝3200m)は5着。15着だった前走のGⅠ宝塚記念(阪神・芝2200m)から約3カ月ぶりの出走となる。

 昨年はこのレースで3番人気に推されながら12着と大敗しているが、道中不利があり、馬体も前走比プラス18kg、過去最高の馬体重と重めで力を出し切れなかった印象だった。同じ条件のレースは、昨年の白鷺特別を5馬身差で圧勝している。3勝クラスの緑風S(東京・芝2400m)でも上がり3F33秒6という瞬発力を見せており、実力を見直す余地は十分ある。昨年5月以来勝利はないが、GⅠでの2戦を含め、重賞6戦を走った経験値が活きてくるはずだ。

 アイアンバローズは牝系も優秀だ。7歳上の半兄パレスマリス(父カーリン)は、米国のクラシックレースのひとつである米GⅠベルモントS(ダート12F)の勝ち馬。2歳下の半弟ジャスティンパレス(父ディープインパクト)は、先日のGⅡ神戸新聞杯(中京・芝2200m)を3馬身半差で圧勝している。また、母の父ロイヤルアンセムは加GIカナディアン国際S(芝12F)や英GⅠインターナショナルS(芝10F85Y)を勝ち、米GⅠBCターフでも2着に入った馬。芝2400m前後はピッタリの血統だけに、"血の勢い"に乗りたい。

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