スプリンターズSでは超人気薄が台頭。穴党記者はタイプの違う2頭の一発に期待

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 いよいよ秋のGIシリーズが幕を開ける。第1弾は"電撃の6ハロン戦"GIスプリンターズS(10月2日/中山・芝1200m)だ。

 過去10年の結果を見てみると、1番人気が5勝、2着1回、3着1回。2番人気も2勝、2着4回と、非常に安定した成績を残している。

 ところが、3連単では好配当が頻繁に生まれている。10万円超えの高額配当となったことも、過去10年で4度もある。

 その理由は、上位人気馬の信頼度が高い一方で、超人気薄の台頭も目立つからだ。実際、過去10年で9番人気以下の伏兵が10頭も馬券圏内(3着以内)に突っ込んできている。

 はたして、今年はどうか。

 断然の支持を集めそうなのは、前走のGIIセントウルS(9月11日/中京・芝1200m)を快勝したメイケイエール(牝4歳)。重賞通算6勝、昨年のレースでも4着と奮闘し、例年の傾向どおりであれば、軸馬として信頼できる1頭と言える。

 だが、スポーツ報知の坂本達洋記者はこの人気馬に疑いの目を向ける。

「今年はメイケイエール、そしてナムラクレア(牝3歳)あたりが上位人気になりそうですが、いずれもGIでの勝利がありません。ともに重賞実績は申し分ないとはいえ、大舞台で結果を出していないのは気がかりです。

 また、GI高松宮記念(3月27日/中京・芝1200m)を制したナランフレグ(牡6歳)も人気の一角と見られていますが、同レースでは8番人気と伏兵扱いでした。丸田恭介騎手の好騎乗もあっての戴冠で、そこまで信頼していいものか......。

 つまり、今年のメンバーには、一昨年の覇者グランアレグリアのような絶対的な存在がいない、ということ。前走のセントウルSでコースレコードをマークして完勝し、折り合い面などの成長を大いにアピールしたメイケイエールにしても、スタートを含めて課題がないわけではありません。つけ入る隙はあると見ています」

 さらに坂本記者は、昨年のGINHKマイルC(東京・芝1600m)の覇者で、前走のGI安田記念(6月5日/東京・芝1600m)でも2着に入った実績馬、シュネルマイスター(牡4歳)についても疑問視する。

「今回初のスプリント戦とはいえ、これまでのGI実績や持ち前の決め手の鋭さから注目度が高いシュネルマイスター。しかし、同馬のこの秋の最大目標は、あくまでもこの先にあるGIマイルCS(11月20日/阪神・芝1600m)。本番前にひと叩きしたいローテーション的な都合から、ここに参戦してきた面が大きいです。

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