クイーンSはディープインパクトの孫を狙う。遅咲き血統の4歳馬、実績トップクラスの3歳牝馬に期待 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 馬齢が4歳というのもポイント。このレースは4年連続で4歳馬が勝利していて、直近3年は1、2着を独占している。また、オルフェーヴル産駒の牝馬は4歳以降に力をつけてくる馬が多く、昨年、米GⅠBCディスタフ勝利という歴史的快挙を果たしたマルシュロレーヌも4歳10月に重賞初制覇を飾った。

 その他、サラスが4歳6月の2020年GⅢマーメイドS、アンドラステが5歳7月の2021年GⅢ中京記念、クリノプレミアムが5歳3月の2022年GⅢ中山牝馬Sと、4歳以降に重賞を初制覇している。スライリーの近走の走りを見ると、4歳となっても折り合い面に不安を残すが、今回は中心に狙ってみたい。

 もう1頭は本命ではあるが、ここに入っては逆らいにくいウォーターナビレラ(牝3歳、栗東・武幸四郎厩舎)を推したい。同馬は昨年のGⅢファンタジーS(芝1400m)の勝ち馬で、GⅠ桜花賞2着、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ3着と、実績トップクラスの3歳牝馬だ。

 オークスでは13着と敗れ、1800m以上の実績はない。ただ、1600mの桜花賞では2番手追走から一旦抜け出して猛然と追い込み、1着のスターズオンアースにはハナ差で敗れたものの、3着以下は封じ込める強い競馬を見せた。

 父シルバーステートはこのレースと相性がいいディープインパクト産駒で、1800mでは2戦2勝。さらに、母の父は万能種牡馬キングヘイロー、祖母の父は菊花賞や天皇賞・春を勝ったマヤノトップガンと、スタミナの血を秘めている。1800mに不安はないだろう。3歳馬で、斤量52kgで出走できるのも魅力だ。

 クイーンSでは、GⅠ戦線で好走した3歳馬が結果を残す傾向も。2017年勝ち馬のアエロリットは、前走のGⅠNHKマイルCを勝利しての出走だった。ウォーターナビレラも桜花賞ハナ差2着なら胸を張ってここに臨めるだろう。

 以上、今年のクイーンSは、4歳馬スライリー、3歳馬ウォーターナビレラの若い2頭に期待する。

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