荒れる春のGIシリーズ。激戦の皐月賞も渋化馬場で台頭する伏兵2頭が波乱を起こす

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 3歳牡馬クラシックの第1弾、GI皐月賞(中山・芝2000m)が4月17日に行なわれる。

 昨年はエフフォーリアが制して、その後の大躍進へとつなげたが、同馬は1番人気ではなかった。1番人気のダノンザキッドは15着と惨敗を喫している。

 この例からもわかるように、皐月賞は1番人気が苦戦。過去10年の結果を振り返ってみても、1番人気は3勝、2着1回、3着1回と、半分は馬券圏内(3着以内)から外れている。

 しかも、高松宮記念から始まった今年の春のGIシリーズは大荒れ。1、2番人気がすべて馬券圏外に沈んでいる。そうした状況を受けて、日刊スポーツの松田直樹記者は今年の皐月賞もひと筋縄とはいかないと見ている。

「今年の春のGIはまさしく波乱の連続。大阪杯では単勝1.5倍のエフフォーリアが9着と大敗しています。混戦ならまだしも、断然の人気馬が敗れたケースもあることを考えると、この流れはまだまだ続きそう。皐月賞も難解な一戦ゆえ、人気馬に全幅の信頼を置くのは危険かもしれませんね」

 続けて松田記者は、今年の皐月賞における悩ましい現状について語る。

「個人的には、年明けの時点ではGI朝日杯フューチュリティS(12月19日/阪神・芝1600m)の優勝馬ドウデュース(牡3歳)、GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)の覇者キラーアビリティ(牡3歳)、そしてGII東京スポーツ杯2歳S(11月20日/東京・芝1800m)を制して早々に皐月賞直行を表明したイクイノックス(牡3歳)の"3強"という見立てでした。

 しかし、GIII共同通信杯(2月13日/東京・芝1800m)の他、GII弥生賞(3月6日/中山・芝2000m)、リステッド競走の若葉S(3月19日/阪神・芝2000m)、GIIスプリングS(3月20日/中山・芝1800m)といった直近のトライアル3レース、計4戦の勝ち馬はいずれも2歳GIには未出走。本番が近づくにつれて、能力比較の難しさを痛感しています。おかげで、どの馬から入っても当たりそうな気がするし、外れそうな気もしています」

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