オークスはソダシに不安材料あり。母仔制覇を狙う娘が差し切るか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 過去20年、21頭(2010年は同着)のオークス馬の決め手(=脚質)を見てみると、21頭のうち9頭が4コーナーを10番手以下で、19頭が5番手以下で通過している。つまり、オークスは最後の直線まで脚を溜められる差し馬の成績が圧倒的にいいのだ。ソダシのようなスピードがありすぎる馬は、「オークス向き」とは言いづらい。大敗するとは考えにくいが、強い競馬を見せながら惜敗、というシーンも十分に考えられる。

 そのような展開になれば他馬にもチャンスが広がるが、中でも最有力と思われるのがアカイトリノムスメ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)だ。前走の桜花賞はソダシから0秒2差の4着。ジワジワと伸びて、ゴール直前では3着ファインルージュにクビ差まで迫っており、距離が延びての巻き返しを予感させた。

 この馬は2月のGⅢクイーンC(東京/芝1600m)の走りが印象深い。道中5番手で進み、残り200m付近で先頭に立つと、外から他馬が襲いかかって差されそうにも見えたが、クビ差抑えきっている。

 派手さはないが"地味に強い"という印象で、スタミナと勝負根性はいかにもオークス向きだ。東京コースは3戦3勝と得意にしているし、昨秋の赤松賞(東京/芝1600m)は10頭立ての4コーナー9番手から差し切っているように、末脚の爆発力もある。

 血統を見てみよう。父ディープインパクトの産駒は2012年ジェンティルドンナ、2015年ミッキークイーン、2016年シンハライト、2019年ラヴズオンリーユーでオークスを4勝。そして母アパパネは2010年の3冠牝馬。現役馬では最高レベルの良血馬で、勝てばもちろんオークス母仔制覇となる。

 以上、今年のオークスはソダシの強さを認めながらも、アカイトリノムスメの母仔制覇に期待したい。

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