横山ルリカが号泣したダービーの思い出。で、今年の注目馬はどれだ? (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

 ダービーで一番思い出に残っているのは――まだまだ"にわか"で最近のレースしか挙げることはできないんですけど――2016年のレースです。その当日は朝7時からロケに出ていて、ちょうど15時半くらいに休憩になり、ロケバスにひとりでいたんです。ちょうどテレビで『みんなのKEIBA』が流れていました。

 私は(出走馬の)サトノダイヤモンドの新馬戦の走りを見て、ダービーを取れると感じて、以来ずっと応援していました。レースを確認すると、いいポジションを取れている。ただ、「ん? マカヒキが思っていたよりも前にいるな」と気になりました。

 最後の直線、サトノダイヤモンドが抜け出して"勝てる"って思った瞬間に、ロケバスの中でひとり、叫んじゃって(笑)。でも、マカヒキが一緒に伸びてきて、「ウソでしょ!?」って。あのとき、なかなか確定ランプが点(つ)かなかったじゃないですか。おそらく、(マカヒキ騎乗の)川田将雅騎手は自分が勝ったってわかったと思うんですけど、サトノダイヤモンドとマカヒキはまだコースの上をウロウロしていて......。

「どっち、どっち?」っていうなかで、「3(マカヒキ)」とバーンと出て、確定ランプが灯った時に、川田さんが天を仰ぐような感じで男泣きしていたのを見て、私まで号泣しちゃったんです。ダイヤモンドが負けたっていう悔しさもあったと思いますが、いつも武士みたいで結構クールな川田さんが、こんなに感情を露わにするくらい、日本ダービーというのはものすごい神聖であって、その勝利がすごいものなんだと強烈に感じて、号泣しちゃったんです。

■レースを見て驚いた別次元の走り

 私が競馬を始める以前のダービー馬では、ナリタブライアンとトウカイテイオーのインパクトが強いです。『競馬予想TV』のアシスタントになりたての時に、昔の名馬シリーズのDVDを結構いろいろ見たのですが、今も人気あるのがわかりますね。

  トウカイテイオーのダービーは1991年の5月26日。私まだ生まれてないんです(笑)。この時代、ゲートが20まであるんですよね。その20番枠から勝ったっていうのが衝撃的で。ダービーの大外枠なんて結構、致命的じゃないですか。ポジション取りにいくのにも脚をかなり使っているのに、最後は他の馬は止まって見えるっていうか、1頭だけ別次元。

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