オークスは、本命アーモンドアイと未対戦で「侮れない馬」が1頭いる (3ページ目)
ともあれ、どちらにしても、アーモンドアイを逆転できるか? と言えば、疑問です。それほど、アーモンドアイのレースぶりは衝撃的でした。
もしも......があるなら、やはり未対戦組。フローラS(4月22日/東京・芝2000m)を勝ったサトノワルキューレは、その資格があるでしょう。
フローラSのレースぶりは、まるでアーモンドアイとの"仮想・脚比べ"にも思えました。おそらく鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、サトノワルキューレがどれだけの脚が使えるのか、測ったのではないでしょうか。そう、出走権利を取る前から、本番の"打倒・アーモンドアイ"を想定して競馬をしていた――そんなふうに見えました。
結果は最良だったと思います。距離に関しても、実績があってまったく心配はいりません。状態さえ保っていれば、好勝負になると思います。
そこでカギになるのは、本番まで詰まったローテーションになること、さらにその間に2度の関東圏への輸送を行なうこと。それらをうまくクリアできるかどうかが、ポイントになるでしょう。
ここまでに挙げた4頭はかなり強力だと思うのですが、もう1頭気になる存在がいます。フラワーC(3月17日/中山・芝1800m)を勝ったカンタービレです。1月の未勝利戦を勝利したあと、フラワーC、そしてオークスへというローテーションに、陣営の勝負度合いの高さを感じます。
フラワーCを勝ったあと、直接オークスに向かってきたカンタービレ 通常、1月の未勝利戦を勝った場合、もしオークスを目指すなら、自己条件を使ってからトライアル、そして本番というのが、陣営の青写真になると思います。
しかし、この馬は勝ったあと、じっくりと間隔を開けて、しかもいきなり重賞に挑戦。たぶん、この時点で2着以内に入って賞金を加算できる自信があったのでしょう。そしてその思惑どおり、見事に勝利して、今度は使える桜花賞をパスしてここに挑んできました。
まるで最初から計算されていたような道筋。早くから、このオークスが目標だったように思えてなりません。
今回、田辺裕信騎手が初の鞍上を務めますが、どうやら最終追い切りに騎乗するために、栗東まで出向いたようですね。これで、"完全な"テン乗りではなくなりました。
この行動も、それだけの手応えを感じているからでしょう。これまでの実績からして、それほど人気にはならないと思いますが、意外と侮れない存在だと思いますよ。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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