熟練スタッフも驚く成長力。菊花賞はミッキーロケットが飛んでくる! (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 ゆえに、デビュー2戦目で初勝利を挙げたあと、500万下のレースで連続2着となっても、惜敗の悔しさが先にくることはなかった。そのときに負けた相手は、アドマイヤダイオウやナムラシングンといった、その後にオープンクラスで活躍した面々。「相手は強いし、この馬なりにがんばっている」と思っていたという。

「だけど、(管理調教師の)音無(秀孝)先生や、ノーザンファームしがらき(※レース間の短期放牧にミッキーロケットが訪れる施設)のスタッフは、『もっとやれる』としきりに話していたんですよね」

 やはりそれは、この頃からミッキーロケットが成長していることを、すでに現場で感じていたからだろう。そして横手氏も、早来に戻ってきた同馬を見て、同じ気持ちを抱いた。以後、音無調教師の「菊花賞に行きたい」という依頼に合わせて調整していったという。

 こうして、同馬は7月に復帰。復帰初戦の500万下を快勝すると、続く昇級初戦の1000万下こそ2着に敗れたものの、同条件2戦目のレースではきっちり勝利を収めた。目標の大舞台へ向けて、着々と歩みを進めたのだった。

 実はこの3走のうち、唯一負けたレースにおいて、陣営が本気で菊花賞を狙っていた気持ちが見てとれる。それは、横手氏のこんな発言からもわかる。

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