注目はディープ2世vsキンカメ2世! 2016新種牡馬紹介

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Kyodo News

 一方、ディープインパクト産駒の新種牡馬はディープブリランテトーセンホマレボシの2頭が産駒を送り込む。

 ディープブリランテは2012年に父の産駒として初めて日本ダービーを制した馬。瞬発力タイプ(差し馬)の多いディープインパクト産駒の中では少数派の先行タイプで、日本ダービーは3、4番手からの押し切り。激しい気性の持ち主でもあった。

 牝系はGI朝日杯3歳S、天皇賞・秋のバブルガムフェロー、菊花賞のザッツザプレンティ、GI阪神ジュベナイルフィリーズのショウナンパントルなどがいる名門。父と同じ社台スタリオンステーションに繋養され、社台グループの良血牝馬にも多く付けられており、成功の可能性は高いだろう。激しい気性が伝われば、短距離タイプの馬も出そう。

 トーセンホマレボシはディープブリランテの勝った日本ダービーの3着馬。GII京都新聞杯では2分10秒0という、当時の日本レコードを樹立した中距離のスピード馬だ。この馬も血統が優秀で、半兄トーセンジョーダン(父ジャングルポケット)は天皇賞・秋の勝ち馬。いとこカンパニーも天皇賞・秋、GIマイルチャンピオンシップ勝ち馬という活力ある牝系だ。祖母の父にミスタープロスペクター系のスピード種牡馬クラフティプロスペクターが入るのが特徴で、レコードタイムを出すようなスピードの源はここにあるのだろう。

 実際、門別のダート1000mで勝ち上がった産駒ハリアー(牝2歳、北海道・佐久間雅貴厩舎、母クリスマスローズ)は母の父がアグネスデジタルで、クラフティプロスペクター4×3のクロスを持つスピード配合。配合次第でダートの短距離から芝の長距離までガラッとタイプの違う馬を出しそうな種牡馬だ。

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