注目はディープ2世vsキンカメ2世! 2016新種牡馬紹介 (2ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Kyodo News

     ルーラーシップの最大の魅力はその血統だ。日本ダービー、GI NHKマイルCを勝った父キングカメハメハはもちろん、母エアグルーヴもGIオークス、天皇賞・秋を勝った歴史的名牝。半姉にGIエリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴ、そして甥に昨年の牡馬クラシック二冠馬ドゥラメンテがいるという、現在進行形で発展している日本競馬屈指の良血馬なのである。

 競走馬として戦績はGI1勝に終わり、来年以降、新種牡馬として産駒を送り出してくるオルフェーヴル、ロードカナロア、ジャスタウェイ、ゴールドシップなどに比べるとインパクトは大きくないが、種牡馬にとって血統は極めて重要なファクター。ディープインパクトの全兄で競走馬としてはGII止まりだったブラックタイド(父サンデーサイレンス)が種牡馬としてキタサンブラック(GI菊花賞、GI天皇賞・春)を出していることなどからもそれは明らかだ。サンデーサイレンスの血を持たないので、その血を持つ牝馬と配合しやすい血統構成ということもあり、筆者も次代のリーディングサイアー候補として大きく期待している。

 6月12日の東京芝1800mの新馬戦ではルーラーシップ産駒のイブキ(牡2歳、美浦・奥村武厩舎、母ピサノドヌーヴ)が勝利。2着にも同産駒のレジェンドセラー(牡2歳・美浦・木村哲也厩舎、母トップセラー)が入り、ワンツーフィニッシュの幸先いいスタートとなった。

 エアグルーヴの血統は晩成タイプが多く、2歳戦からバリバリというタイプではないと思われるので、3歳を迎えてから台頭してくる馬も多いだろう。芝のマイルからダービー、オークス戦線まで幅広い距離に対応できそうだ。

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