桜花賞は「世界王者」の良血を引き継ぐジュエラーがピカピカ輝く (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そして2戦目では、いきなり牡馬相手のGIIIシンザン記念(1月10日/京都・芝1600m)に挑戦。こちらもスタートで出遅れてしまったが、直線では絶望的な位置から猛然と追い込んで2着。「出遅れさえなければ......」という強さを見せた。

 3戦目に選んだのは、チューリップ賞。ここではまずまずのスタートを切って、直線はシンハライトとの一騎打ちとなった。ぴったりと馬体を併せてゴールしたが、首の上げ下げのタイミングで"ハナ差"だけ敗れた。

 3戦1勝というキャリアは、メジャーエンブレムやシンハライトに比べると見劣ってしまう。しかし、負けた2戦のレース内容を振り返れば、戦績ほどの差はないはず。クラシックの夢を見るには、十分な実力の持ち主と言えるだろう。

 ジュエラーが生まれ育ったのは、北海道の社台ファーム。同馬に関わった人たちは、小さい頃からその素質を感じてきたという。社台ファーム事務局の青田力也氏に話を聞いた。

「馬体はアカ抜けていましたし、動きもよかったので『この子は活躍してくれるんじゃないかな』という印象を抱きました。当時、この馬に騎乗していたスタッフは、『乗ったときの背中の感触がとにかくよくて、いい馬だと感じた。それが強く印象に残っている』と話していました。いつも元気で、期待は大きかったですね」

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