二冠馬ドゥラメンテ、ドバイで世界デビュー戦を飾れるか

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yoshifumi Nakahara/AFLO

 追い風が吹いているのがGIドバイターフ(芝1800m)に出走するリアルスティールだろう。昨年の同レースを圧勝し、最大の強敵と目されていたソロウ、同2着のザグレーギャツビーが相次いで回避を決定。このレースで相性のいい、コテコテの欧州GI級が不在となれば、昨年の皐月賞と菊花賞で2着だったリアルスティールでも十分に計算が立つ。不完全燃焼だった昨秋からこの遠征を目標に十分にオーバーホールされ、中山記念(3着)をひと叩き。昨年のGIII共同通信杯(東京・芝1800m)でドゥラメンテを下した距離で戴冠を狙う。
 
 下馬評では地元の前哨戦のGIジェベルハッタ(芝1800m)を鋭い決め手で制したゴドルフィンのトライスター、同じ距離のGIIアルラシディヤ(芝1800m)を勝ったフォーリスワルツらの評価が高いが、ちょっと注目したいのがアメリカから参戦の5歳馬フランボイヤントだ。父は日本で競走生活を送ったサンデーサイレンス産駒ペールギュント。昨夏から休養に入っていたが、今年に入って復帰すると、地元のGIIサンガブリエルステークス(芝1800m)、GIIサンマルコスステークス(芝2000m)と連勝している。

 GII UAEダービー(ダート1900m)には日本からラニユウチェンジオンザロックスの3頭が挑戦する。現時点での出走頭数はわずか7頭とチャンスは大きく見えるが、残る4頭はいずれも強力。中でも、同じコースのGIII UAEオークス(ダート1900m)を勝った牝馬のポーラーリヴァー、アメリカのGIIIエルカミノレアルダービー(AW1800m)を勝って、ここに臨むフランクカンバセーションらが有力。とはいえ、今年のUAEの3歳路線はいずれも頭数が少なく、フランクカンバセーションも前走のオールウェザーからダートに変わることもあり、付け入る隙も少なくない。

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