荒れる有馬記念。人気薄の激走パターンで見えた「穴馬2頭」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 1番人気のゴールドシップは、凱旋門賞に参戦したあとの、フランスからの帰国初戦だった。2番人気のエピファネイアは、鞍上が前走ジャパンカップでの圧勝をもたらしたスミヨン騎手から、初騎乗の川田将雅騎手にスイッチしていた。

 そして、3番人気のジャスタウェイは、2000mまでしか勝利がなく、有馬記念の2500mという距離は未知の領域だった。さらに、4番人気のジェンティルドンナは、中山競馬場でのレース経験がなかった。

 そうした状況の中、レース結果は以下のようになった。

◆2014年有馬記念
1着=ジェンティルドンナ(牝5歳/4番人気)
2着=トゥザワールド(牡3歳/9番人気)
3着=ゴールドシップ(牡5歳/1番人気)
※馬齢は当時のもの。以下同。

 ジェンティルドンナが"初コース"の不安を克服して1着となり、ゴールドシップが地力の高さを見せて3着を確保した。それよりも、ここで注目すべきは、2着に割り込んだ3歳馬のトゥザワールドである。

 同馬は、9番人気だったにもかかわらず、その低評価を覆(くつがえ)して2着に入ったのである。おそらくそれは、実績十分の古馬それぞれに不安があって、付け入る隙があったからだろう。

 つまり、今年もトゥザワールドのような、生きのいい3歳馬にこそ、上位入線のチャンスがあるのではないか。昨年よりもメンバーが落ちていることを思えば、なおさらその可能性は高くなる。

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