【競馬】秋華賞で二冠なるか。ミッキークイーンに潜む2つの不安 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Murata Toshiyuki

 多くの専門家も、ミッキークイーンの、その前哨戦の走りを高く評価。デイリー馬三郎の吉田順一記者はこう語る。

「春は、馬体減りを気にしながらの調整とローテーション。それで結局、桜花賞は無念の除外となりましたが、それまでに無理使いしなかったことが、オークス制覇につながったと思います。その後、夏場も順調に過ごして、ローズSには馬体重プラス8kgで臨むことができました。レースでは、一度はかわしたタッチングスピーチに差し返されましたが、オークス馬の意地を見せたというか、地力の強さを十分に示した内容だったと言えるのではないでしょうか」

 とすれば、迎える秋華賞でも、ミッキークイーンはおそらく1番人気で出走することになるだろう。が、はたして全幅の信頼を置いていいものか。巷では、2つの不安が囁かれている。

 ひとつは、京都内回りの芝2000mという、ややトリッキーなコース形態からか、秋華賞では1番人気の馬が過去に何度となく戴冠を逃していること。この10年で言えば、昨年のヌーヴォレコルトをはじめ、一昨年のデニムアンドルビー、2011年のホエールキャプチャに、2009年のブエナビスタ、2008年のトールポピー、そして2007年のウオッカなど、そうそうたる面々が1番人気で苦杯をなめた。

 レース創設以来19年で、1番人気の成績は、5勝、2着3回、3着4回、着外7回。勝率は2割6分ほどで、連対率にしても50%に届かない。

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