【競馬】追悼マンハッタンカフェ。その魂は再ブレイク中の産駒に! (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 それにしても、このマンハッタンカフェ産駒の再ブレイクは、どうして起こったのだろうか。

 単純に考えられるのは、種付け頭数の増加である。種付け頭数が増えれば、比例して産駒の数も増え、勝つチャンスも増えるからだ。ところが、マンハッタンカフェ産駒の各世代の種付けの頭数を見ると、現5歳世代は196頭、現4歳世代は207頭、そして現3歳世代は202頭と、現3歳世代が突出して多いわけではない。現4歳世代に比べれば、少ないほどである。

 次に考えられるのは、「種牡馬の好成績は5年ごとに訪れる」という生産界の“定説”だ。それは、種牡馬がある年に好成績を残すと、その翌年の種付け頭数が増し、繁殖牝馬の質も上がって、それら産駒が3歳を迎えたとき、再び好成績を生み出す、というものである。

 これを、マンハッタンカフェに当てはめると、種牡馬リーディングを獲ったのが2009年なので、その影響がもろに出るのは、2010年に種付けされた2011年生まれの産駒となる。つまり、現4歳世代だ。しかし、先に示したとおり、確かに種付け頭数自体はひとつ前の世代よりも10頭ほど増加しているが、レース結果には表れていない。

 ただし、リーディングを獲った翌年、2010年にも種牡馬マンハッタンカフェは評価を高めている。再浮上のカギは、そこにあった。

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