【競馬】「悲運の女傑」レーヴディソールの秘蔵っ子がデビュー (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「アラバスターは、順調に成長してきた一頭ですね。育成を始めたばかりの頃は、身のこなしが硬くて(成長には)時間がかかりそうだったのですが、グングンよくなりました。今もまだまだよくなっている過程で、あとひと皮、ふた皮むければ......と、思っています。本当に完成するのはもう少しあとかと思いますが、モノはいいですね。距離適性は、1600mくらいの印象でしょうか」

 レーヴディソールの初仔として注目されるアラバスターだが、同馬には、父ハービンジャーのいい部分も受け継がれているようだ。横手氏が続ける。

「この馬の持っている"柔らかさ"は、まさに父ハービンジャーに近い柔らかさだと思いますね。ただ柔らかいだけでなく、しっかりとした柔らかさ、しなやかさがありますから。父のいいところが出ていると思います」

 昨年から産駒がデビューした種牡馬のハービンジャー。初めてのクラシック戦線では、満足いく結果を残せなかったが、レーヴディソールとの間に生まれた子が、その栄冠に近づくかもしれない。

 アラバスターを管理するのは、母と同じ松田博資厩舎(栗東トレセン)。同馬は札幌競馬場に滞在し、8月16日の2歳新馬(札幌・芝1800m)をデビュー戦に設定している。調教内容こそやや地味だが、母が母だけに、レースにいって変わる可能性は十分にある。

「幻の牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)馬」とさえ言われる女傑・レーヴディソール。その"秘蔵っ子"が、いよいよデビューのときを迎える。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る