【競馬】中小牧場の活性化へ。外国人牧場長から「日本」への提言 (3ページ目)

  • 河合力●文 text&photo by Kawai Chikara

 JRAの種牡馬ランキング(4月24日現在)を見ると、JBBAの種牡馬はトップ30までには名を連ねていない。最高位は、バゴの34位となっている。これは今年に限ったことではなく、JBBAの種牡馬が上位20位以内に入ったことはほとんどない。

「かなりの高額で海外から購入した種牡馬も中にはいるので、この成績はちょっと厳しいと思いますよ。国のお金を使っているわけですから、もう少し種牡馬選びを工夫したほうがいいでしょう。例えば、日高の牧場がパートナーシップを組んで、JBBAと共同で種牡馬を購入するのはどうでしょうか。特に、日高地方出身の馬が活躍して引退するときなどは、共同購入という形でその馬を地元に呼び戻せばいい。そうすれば、馬産地もさらに活気づくはずです」

 公益社団法人のJBBAが、民間の牧場と共同で種牡馬を購入するのは現実的ではない。とはいえ、日高の中小牧場が成長していくためには、この地方の「核」となる種牡馬を作ることが必要。その考えから、スウィーニィ氏はこういったアイデアを思いついたという。

 スウィーニィ氏が胸に秘める改革案は、これだけにとどまらない。次回も、日本競馬への提言を続ける。

(つづく)

  ハリー・スウィーニィ

1961年、アイルランド生まれ。獣医師としてヨーロッパの牧場や厩舎で働くと、1990年に来日。『大樹ファーム』の場長、『待兼牧場』の総支配人を歴任。その後、2001年に『パカパカファーム』を設立。2012年には生産馬のディープブリランテが日本ダービーを制した。
『パカパカファーム』facebook>

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