【競馬】ルメール騎手の志「日本の馬で新たな歴史を創りたい」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●取材・文 text&photo by Niiyama Airo

JRA騎手としての決意を語ったルメール騎手。JRA騎手としての決意を語ったルメール騎手。――ルメール騎手をそこまで惹(ひ)きつけた、日本競馬の魅力とは何でしょう。

「僕だけでなく、短期免許をとって日本で騎乗してきたオリビエ(・ペリエ/フランス)や、クリストフ(・スミヨン/フランス)らも言っていますが、日本の競馬環境は本当に素晴らしいんです。馬のレベルは高いし、施設もいいし、賞金も高い。さらに、熱心なファンがたくさんいます。そうした状況の中で、僕は大きなレースもいくつか勝たせてもらいましたが、そのときの気分も最高でした。あの高揚感には、すごく感激しました。そうやって、短期免許で日本に来る度に日本が好きになっていって、いつの間にか、冬のシーズン(欧州競馬のオフシーズン)が近づいていると、毎年『早く日本に行きたいな』と思うようになっていましたね」

――ルメール騎手をはじめ、ペリエ騎手やスミヨン騎手など、世界的な騎手の方々が称えるほど、日本の馬のレベルは高いですか。

「スゴイ、デスヨ!! ジャスタウェイは世界一になったじゃないですか。他にも、ドバイや香港では、日本の馬が何度も勝っています。凱旋門賞でも、まだ勝利はありませんが、2着になった馬は何頭もいますよね。それらのことは、自信を持っていいと思います。それに、日本は種牡馬のレベルが高いし、欧米から質のいい牝馬を購入しているため、繁殖牝馬のレベルも高い。それが、競走馬の血統レベルを上げてきて、競馬そのものが、世界のトップレベルにまで上がってきているように感じます」

――ところで、日本に来ることについて、ご家族から反対されたりしなかったのですか。

「まったく反対されませんでしたよ。僕だけではなく、家族全員(夫人、10歳の長男、7歳の長女)、日本が大好きですから。今年の7月には、家族みんなが日本に引っ越してきて、子どもたちは京都にあるフランス人学校に通うことになっています。ちょうど今、僕は家族で暮らす場所を探し回っている真っ最中です(笑)」

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