【競馬】ディープと同じ道を歩む「切れ者」アダムスブリッジ (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

「デビュー戦は勝ち時計が遅く、陣営も半信半疑だったようです。しかし、2戦目の若駒Sで見せた瞬発力には感嘆していましたね。同馬の兄は、2011年のGIIIラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)を制したアダムスピーク(牡6歳/父ディープインパクト)ですが、その兄よりも『ずっと切れそうだ』と話しています。レースで見せる勝負根性についても、陣営はかなり評価していましたね」

 兄のアダムスピークも、クラシックの有力候補に数えられ、一冠目の皐月賞(中山・芝2000m)に出走した。しかし、結果は18着と大敗を喫した。同じ石坂厩舎の管理する弟アダムスブリッジには、その兄が果たせなかったタイトル奪取への期待がかかっている。

「若駒Sのあと、アダムスブリッジは蹄(ひづめ)の状態が少し悪くなったようですが、陣営によれば『それほど重いものではない』とのこと。今後は、3月21日の若葉S(阪神・芝2000m)をステップにして、4月19日の皐月賞に向かう予定です。前走で見せた出遅れや、まだ経験したことのない多頭数の激しいレースなど、課題はいくつかありますが、それらを克服することができれば、クラシックでも相当面白い存在になると思いますよ」

 かつて、名馬たちが躍動した若駒Sで素質の高さを見せたアダムスブリッジ。陣営でさえ驚きを隠せなかったという瞬発力を武器に、兄が苦汁をなめた3歳クラシックで頂点を狙う。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る