【競馬】矢作調教師がダービー2勝目を目論むリアルスティール (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 厩舎の先輩にあたるディープブリランテは、レースでかなり行きたがる気性だった。矢作調教師も、その部分には随分悩まされたという。だが、リアルスティールにおいては、今のところ、そうした気性面の心配もないようだ。先述のトラックマンが続ける。

「レースで力んでしまわないように、細心の注意を払っているようです。その辺は、矢作先生も『ブリランテのときの経験が生きている』と語っています。現時点では、乗り手に従順で、気性的な部分で心配することはなさそうですよ」

 リアルスティールが次走に予定しているのは、2月15日のGIII共同通信杯(東京・芝1800m)。「クラシックの登竜門」とされるこのレースにはかなりの好メンバーがそろう見込みで、キャリア1戦で挑むのは大胆なチャレンジとなる。しかし、逆にこのレースを突破すれば、一気にクラシックの主役に名乗りを上げることになるだろう。

 矢作調教師が絶大な期待を寄せるリアルスティールは、兄が実現できなかったクラシック出走、さらにはクラシック制覇まで成し遂げてしまうのか。重賞という大舞台に果敢に挑む2戦目で、その真価を問われることになる。注目の一戦から目が離せない。

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