【競馬】AJCC、7歳馬でもパッションダンスは侮れない

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 年明け4週目の中央競馬では、中山、京都、中京、3つの開催場でそれぞれ重賞()が行なわれます。どれも見応えがあって、興味深いレースですが、なかでも注目は、やはりスターホースのゴールドシップ(牡6歳)が参戦するGIIアメリカジョッキークラブカップ(以下、AJCC。1月25日/中山・芝2200m)でしょう。
※京都ではGIII京都牝馬S(1月24日/芝1600m)、中京ではGII東海S(1月25日/ダート1800m)が行なわれる。

 皐月賞、菊花賞、有馬記念の八大競走()を含む、GI5勝のゴールドシップ。昭和の時代であれば、AJCCにもこれだけの実績馬が出走することはよくありましたが、最近では本当に稀(まれ)なことです。
※桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞の3歳クラシックと、古馬の天皇賞・春、秋、そして有馬記念の8つの競走は、GIレースの中でも特に格が高いものとされ、それらを総称して「八大競走」と呼ぶ。

 ゴールドシップも、はや明けて6歳になりました。しかし、昨年末の有馬記念(12月28日/中山・芝2500m)でも僅差の3着と、まったく衰えを感じさせませんでした。昨秋の凱旋門賞(14着。10月5日/フランス・芝2400m)大敗による影響が心配されましたが、その後、ジャパンカップ(11月30日/東京・芝2400m)をパスしたことが正解だったのでしょう。

 ブリンカーを再着用して結果が出ているように、相変わらず気難しい面は残っているようですが、不安材料と言えば、それぐらい。今回は、鞍上が手の合う岩田康誠騎手というのも、心強い限りです。

 さらに、中山競馬場の外回り芝2200mというのは、ゴールドシップ向きのコースと言えます。なにしろ、向こう正面がおにぎり型になっていて、内回りに比べてはっきりとした直線になっていません。乗っていると、なんとなく過ぎてしまって、3コーナーにもすんなりと入り込めるんです。おかげで、外に振られる心配がないため、比較的まくりの競馬がしやすく、まさにゴールドシップが得意とする型に持ち込めるわけです。

 今回は、実績的にも他馬とは格が違い過ぎるため、普通の状態で出走し、普通に走ってくれば、まず負けないのではないでしょうか。

 ゴールドシップに続く馬を挙げるのは非常に難しいのですが、好メンバーがそろった毎日王冠(10月12日/東京・芝1800m)を制するなど、昨年重賞2勝を挙げたエアソミュール(牡6歳)には注目しています。

 ゴールドシップと同期で、この馬もまた気難しいところがあって、出世が遅れていました。気持ちが乗らないと走らないゴールドシップとはタイプの違う難しさで、エアソミュールは気性が荒く、操作性に難があるように感じられます。何より折り合いをつけるのが大変で、他にも難しい面を抱えているような気がします。

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