【競馬】菊花賞は距離延長に利があるサウンズオブアース (2ページ目)

 皐月賞1番人気(2着)、ダービーでも2番人気(5着)に推されたトゥザワールドも、上位争いが見込まれる一頭。完成度が高く、鞍上の意のままに動ける、操作性の高い馬です。少しジリっぽい(加速するのに時間がかかる)ところがありますが、距離延長と、3コーナーから4コーナーにかけて下り坂のあるコース設定が、その欠点を埋めてくれるのではないでしょうか。

 そして何より、ワンアンドオンリーとは、3戦2勝と勝ち越しているのが強み。春のクラシックでは人気に応えることはできませんでしたが、菊花賞こそ最大のチャンスかもしれません。最後の一冠を手にして、関係者には美酒を味わってもらいたいものですね。

夏を越して、一段と成長したサウンズオブアース。夏を越して、一段と成長したサウンズオブアース。 さて、今回の「ヒモ穴馬」には、距離が延びれば延びるほどいいと思える、サウンズオブアース(牡3歳)を抜擢したいと思います。

 ワンアンドオンリー同様、この馬も1勝するまでに4戦を要しましたが、ワンアンドオンリーと違うのは、新馬戦からの4戦すべて1番人気だったことです。そこに、サウンズオブアースへの期待と、秘めた能力の高さがうかがえます。

 ダービーでは、11着と大敗しました。しかしそれは、その前の京都新聞杯(2着。5月10日/京都・芝2200m)で目いっぱい走った結果。ダービーのときには、余力が残っていなかったのだと思います。

 迎えた秋初戦、神戸新聞杯(2着)ではワンアンドオンリーをあわや差し切るか、という競馬を見せました。もちろん、ワンアンドオンリーは次の菊花賞を見据えた余裕ある仕上げだったと思いますが、それを加味しても、サウンズオブアースの猛追ぶりは圧巻でした。春からの成長を存分に見せつけて、陣営も本番に向けてかなりの手応えをつかんだのではないでしょうか。

 今回、手綱をとるのは、蛯名正義騎手。天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)に目標を移した、皐月賞馬イスラボニータ(牡3歳)の主戦ジョッキーです。しかしその天皇賞・秋で、蛯名騎手はお手馬のフェノーメノ(牡5歳)がいるため、イスラボニータには騎乗できません。おそらく、ジョッキーの立場からすれば、イスラボニータは菊花賞を使ってほしかったと思います。それは、単純に"お手馬がかぶるから"ということではありません。折り合いなどの課題はあるものの、3歳馬同士の戦いのほうがチャンスが大きいからです。

 ともあれ、これはもう決まったこと。蛯名騎手の中では、菊花賞でサウンズオブアースの能力を100%出し切ろうと、すでに気持ちは切り替わっていると思います。水曜日(10月22日)には栗東トレセン(滋賀県)に駆けつけて、同馬の追い切りをこなしたようです。馬とのコンタクトをしっかりとって、本番でどんなレースを見せてくれるのか、楽しみです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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