【競馬】いよいよ凱旋門賞! 日本馬3頭が「順調」な理由

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 レース本番を3日後に控えた現地時間10月2日、今年の凱旋門賞(仏GI芝2400メートル3歳以上牡牝)の最終登録が締め切られた。海外のビッグレースにありがちな、有力馬の直前での回避劇はなかった一方で、アイルランドの3歳牝馬タペストリーが、12万ユーロの追加登録料を支払って急遽参戦に舵を切っての参戦が決定した。

初めての海外遠征となるハープスター。調整は順調(代表撮影)初めての海外遠征となるハープスター。調整は順調(代表撮影)

 タペストリーは、アイルランドのA.オブライエン調教師の管理馬で、目下大手ブックメーカーの凱旋門賞前売りオッズで1~2番人気となっているタグルーダ(イギリス/牝3歳)が断然の人気で臨んだヨークシャーオークス(英GI芝約2400メートル3歳以上牝)で、これを差し切って、タグルーダに生涯初めて土をつけたことで、一躍その名を轟(とどろ)かせた。

 その後、距離短縮を図って出走した9月半ばのメイトロンステークス(愛GI 芝約1600メートル3歳以上牝)では10頭立ての9着とまったく奮わず、一旦は凱旋門賞路線から外れたかに見られていた。それが一転して、高額な追加登録料を支払って凱旋門賞に出るとなったからには、これで3頭出しとなるオブライエン調教師にも、何か確信めいたものがあるということなのだろう。追加登録での凱旋門賞制覇は、3年前のデインドリームが記憶に新しい。
 
 タペストリーの参戦を語る上で、鞍上にイギリスの名手ライアン・ムーア騎手を迎えたことも大きい。今年のドバイシーマクラシック(UAE GI芝2400メートル4歳以上)でジェンティルドンナを勝利に導いたように、味方になれば頼もしい存在だが、これがライバルとなると非常に厄介なことこの上ないのがムーア騎手だ。4年前にナカヤマフェスタがこのレースで2着となったときにも、偉業を阻んだのはムーア騎手騎乗のワークフォースだった。

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