【競馬】名調教師が高く評価する「黄金配合」の期待馬 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そしてレッドメアラスは、栗東の須貝尚介厩舎に預けられることになった。須貝調教師といえば、ゴールドシップや、昨年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制したレッドリヴェール(牝3歳)などを管理する、いわば、ステイゴールドの仔を知り尽くした調教師だ。

 その須貝調教師からも、レッドメアラスは「お墨付きをもらった」と佐伯氏が語る。

「須貝先生にレッドメアラスを見てもらったとき、先生がとても気に入ってくれたんです。これは心強かったですね。『馬の雰囲気がよく、面白そう』と言ってもらえましたから。それで実際、厩舎の先輩であるレッドリヴェールと同様、早めのデビューを目指す馬たちのグループに入れてもらいました」

 そうして、5月末に入厩したレッドメアラスだが、思わぬところでつまずいた。デビューに必要なゲート試験の練習中に、気性の荒さを見せ始めたのだ。それによって、早期デビューはいったん白紙。6月5日、リフレッシュのための放牧に出された。

 しかし、須貝調教師も、佐伯氏も、何ら問題視することはなかった。

「ゲートの練習ではかなり苦戦したのですが、須貝先生のトーンは落ちませんでしたね。もともとステイゴールド産駒の活躍馬は気の荒い馬が多いですし、メアラスについても想定内だったんだと思います。少し難しい面があるくらいのほうが、この血統はいいのかもしれませんしね」(佐伯氏)

 その後、7月5日にレッドメアラスは再入厩。7月23日には、ゲート試験にも合格した。以降は、2週連続で初めて本格的な追い切りを行なって、いずれも坂路800mを54秒5というまずまずのタイムで駆け上がった。

 調教を見守った須貝調教師は、「トモに力がついてきていないので、坂路ではまだ動けないのだと思います。これからですね」とコメントしたが、それでも変わらずに期待は高いようだ。

 気性的に難しい部分を抱えているため、デビューの時期などは、馬のテンション次第だが、距離的には1600m以上のレースを使っていくことになるという。『黄金配合』を持つレッドメアラスは、いったいどんな走りを見せるのか。デビューの日が待ち遠しい。

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