【競馬】女傑トゥザヴィクトリーの娘は大牧場「期待の星」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局
第3回:トーセンビクトリー

 競馬界の「主役」となる馬を、毎年のように輩出しているノーザンファーム(北海道安平町)。その大牧場の中でも、ひと際高い期待を背負った若駒がデビューのときを迎えようとしている。8月3日の2歳新馬(札幌・芝1800m)を予定しているトーセンビクトリー(牝2歳/父キングカメハメハ)だ。

クラシックでの活躍が見込まれるトーセンビクトリー。クラシックでの活躍が見込まれるトーセンビクトリー。 母は、2001年のエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制したトゥザヴィクトリー。GIタイトルはそのひとつだが、同年春のドバイワールドカップ(UAE・ダート2000m)では、低評価ながらも逃げの手を打って2着と大健闘。その他、2着に惜敗した1999年オークス(東京・芝2400m)や、逃げて3着に粘った2001年有馬記念(中山・芝2500m)など、大舞台でファンの印象に残るレースを見せてきた実力馬だ。

 そのトゥザヴィクトリーは、母となってからも大きな注目を集めた。2006年に産んだ3番仔のディナシー(牝馬/父キングカメハメハ)が、同年のセリ市「セレクトセール」にて6億円の高額落札に至ったのである。これは当歳(0歳)のセリ市における世界最高額だった。

 ディナシーはアクシデントによりデビューできなかったが、トゥザヴィクトリーの母としての才能は、その後の産駒たちが証明している。4番目の子トゥザグローリー(牡7歳/父キングカメハメハ)が重賞5勝を飾って、8番目の子となるトゥザワールド(牡3歳/父キングカメハメハ)は、今年の弥生賞(中山・芝2000)を制し、皐月賞(中山・芝2000m)でも2着と好走した。

 活躍した兄2頭と同じ血統を持つトーセンビクトリー。期待が膨らむのも無理はなく、同馬は昨年のセレクトセールで1億500万円の高値を付けた。さらに見逃せないは、トーセンビクトリーに携わったスタッフの高い評価だ。

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