【競馬】皐月賞目前。安藤勝己が選定する「3歳牡馬番付」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo

  横綱:トゥザワールド(牡3歳)
(父キングカメハメハ/戦績:5戦4勝、2着1回)

 前哨戦の弥生賞で、最後は2着馬(ワンアンドオンリー)に詰め寄られたとはいえ、力勝負のレースを自分で作って、自ら動いて押し切った。やっぱり能力があるな、と思った。折り合いもつくし、皐月賞が行なわれる中山の(荒れた)馬場も合いそう。名牝トゥザヴィクトリーの子という、血統もいい。総合的に見て、皐月賞まではトゥザワールドが最上位の評価でいいと思う。

 レースを使う度に機敏さも出てきたし、乗りやすそうな馬。主戦の川田(将雅)騎手も「(トゥザワールドは)いろんな競馬ができるから、自信を持って乗れる」と言っていた。大舞台では、そういう騎手の心理はプラスに働くもの。弥生賞ではやや強引な競馬をしたけど、皐月賞に向けてはそれがいい経験になったと思うし、(皐月賞では)確実に3着までには来る雰囲気がある。


大関:トーセンスターダム(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:3戦3勝)

 この馬は、トゥザワールドと同じ池江(泰寿)厩舎なんだけど、ここまでのレースの使い方を見てみると、トゥザワールドは皐月賞に、トーセンスターダムはダービーに、照準を合わせてきたように感じられる。そういう意味では、現時点では大関にしたけど、ダービーを考えたら横綱級の評価になるかも。

 実際、一度も負けていないし、レースぶりもいい。フットワークが大きくて、追い出すとだんだんとスピードに乗ってくる感じは、いかにも東京競馬場のような"大箱"向き。スケールの大きさからしても、ダービーがぴったり。逆に、中山のレースで忙しい競馬になったときに、スッと反応できるかどうかはわからない。その点、皐月賞は微妙。2月のきさらぎ賞から直行になるし、ダービーへの「布石」なのではないかと勘ぐってしまう。

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