【競馬】3歳クラシックを占う。今春の「隠しテーマ」は何か? (3ページ目)
おまけに、春シーズンを通して流れる“テーマ”を見つけることも、ファンにとっては楽しみのひとつになる。
例えば、昨年の春の“隠しテーマ”は、「兄弟騎手」だった。桜花賞をクリスチャン、皐月賞をミルコと、デムーロ兄弟が連勝すると、続くオークスでは幸四郎、ダービーでは豊と、武兄弟が連勝を飾った。「兄弟騎手」が“テーマ”だと気づくことができれば、少なくとも武豊騎乗のキズナをダービーで本命視することは、容易だったはずである。
後智恵を言っても仕方がないが、不思議と流れる“テーマ”があるのが、春競馬の特徴ではないだろうか。
古い話だが、1975年のクラシックでは、当時地味なローカル騎手だった菅原泰夫騎手が、テスコガビーで桜花賞とオークスを、カブラヤオーで皐月賞とダービーを勝ち、春のクラシック完全制覇を果たしたことがあった。今年も、そんな可能性を持った騎手がいる。全国リーディング首位(4月6日現在)を走るトップジョッキー、川田将雅騎手である。
手綱をとるのは、牝馬がハープスター、牡馬はトゥザワールド。はたして、39年ぶりの“偉業”達成はなるだろうか。
人だけではない。イスラボニータ、ロサギガンティアと、二頭の有力馬をクラシックに送り込んだ、フジキセキの血からも目が離せない。
サンデーサイレンス産駒最初の種牡馬として、多くの活躍馬を出してきたフジキセキ。しかしながら、彼の産駒でクラシックを制した馬はいまだにいない。フジキセキ産駒は、今年の3歳馬がラストクロップ。最後の世代で“大玉”を出すことができるのか、注目だ。
人でも、馬でも、春競馬には“流れるテーマ”が必ずある。それを聞き取ることが、春競馬の醍醐味と言えるかもしれない。
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